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2013年9月29日

上陸が待ち遠しい黒船「Spotify」

「Spotify」といえば今話題の音楽ストリーミング配信サービス。まもなく日本に上陸?との噂。

スゴイのは聴き放題ってことじゃなく、その強力な「レコメンド力」にあるらしい。それは、好みの楽曲から類似曲を紐付けるテクノロジーと、集積された人的プレイリスト提供による、キュレーションの抱き合わせによるものなのだとか。

このレコメンド力だけにフォーカスすれば、この配信サービスは「未知の音楽に対する能動性を持つ人」のためのもの、と言えるだろう。
自分はその能動性がある(もろターゲット層)と思っているけど、今の日本ではマイノリティなんだろうか。AKBとかジャニーズしか聴こえてこないからマイノリティ錯覚しちゃう。

ところで自分の能動性ってどういう風に育ってきたんだろうと、ノスタルジックに思い出してみる。

最初の扉を開けたのは近所に住んでいた音楽に詳しい兄ちゃん。アニメ音楽しか知らなかった僕に、遠い海の向こうの音楽をたくさん教えてくれた。
その次がラジオ。小気味いいDJの語り口で紹介される楽曲は2割増しでかっこよく聴こえたものだ。1度しか流れないから「もっと聴きたい」飢餓感も手伝ってレコード店へ足を向けるきっかけにもなった。
そしてタワレコのレコメンド札。琴線直撃の右脳的文章も秀逸であったが、やや殴り書きの自体も「すげぇ音楽好きの兄ちゃんの字」という演出として成功していて、説得力があった。

そんなふうに音楽発見体験を重ねながら、「ジャンル聴き」したり、有名バンドのソロ・プロジェクトに触手が伸びたりするようになる。そう考えると、能動性というのは、レコメンド力のある人、メディアに出会ったことで揺さぶられるように生まれ、育ってきたと言えるだろう。

今、日本には、そんな能動性を備えつつ、「発見できないでいる」音楽難民人たちが山ほど居る、はずである。しかし一方で、年齢が上がるにつれて、現在進行形の音楽とは疎遠になり、溜め込んだ過去の音源で満足してしまう自分も居たりするけれど。

だから、Spotifyには期待せずにはいられない。あの、ハッとして動けなくなる「発見」の瞬間にまた出会えることを。期待値高すぎるだろうか。ううん。そんなことない。発見を売りにするんだったら、それくらい期待させてほしい。


上陸が楽しみな黒船。
年内には、、、ですかねぇ。