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2013年6月19日

大好きなiTunesにダメ出ししてみる



2012年12月にリリースされてもう半年になるiTunes11。
アルバムのカラーリングから背景色が変わる「カスタムカラー」の機能は素敵だけれど、もう一つの目玉機能、上に貼った「次はこちら」機能(上図赤枠)は未だにムズムズしている。

「次はこちら」は、言い換えれば、簡易なプレイリスト。
いや再生控え、かな。まあいいや。
つまり、再生順序を数曲先まで予約コントロールできる機能だ。

この機能自体、僕はすごく心が行き届いていて好きだ。
それだけに、この分かりにくいラベリングやUIが恨めしいのである。
「次はこちら機能」って。
ちなみに英語版iTunesの「次はこちら」機能の表記は、Up Next である。うーん。まだマシな感じ。

まず、直感的なモヤモヤがあると思う。敢えて書くと、
「次はこちら」という表記自体、「あちらの、別な何かを指している」ようにも読めるために、それ自体が名詞として体をなしづらい、ということだろう。


そもそもこいつ自身が、しっかり名を名乗っていない、ということも問題に拍車をかけている。

・・・。


名称の不自然さと、説明不足のダブルパンチだ。


そして以下は、ライブラリ内の楽曲やアルバム等からそれぞれ展開できるポップアップメニューだが、このUIも混乱する。




上部の2つ「次に再生」と「“次はこちら”に追加」は、どちらも「次はこちら」機能に曲を追加するメニューである。

「次に再生」を選択した場合、「次はこちら」機能リストの最上段に追加され、対して「“次はこちら”に追加」は、リストの最下部に追加される。
どちらも「次はこちら」機能に追加するコマンドなのに、最上段に追加することを「次に再生」と言い換えてしまっている。つまり、この2つの表記からでは、選択後どうなるのか、が想起できないのだ。


さて、問題はこれだけではない。(なんだろう。この使命感。)


これは、「次はこちら」機能に楽曲が控えている状態で、ライブラリ内の楽曲を直接再生しようとした場合(例えば曲名をダブルクリックした場合)に表示されるアラートである。

知らんがな。再生押したんだから、いーから聞かせてーな。
というのが率直な感想だ。ルールの押し付け。UX的に良くない例だと思う。

まず、ライブラリ内の楽曲を直接再生しようとするアクションは、すなわち「次はこちら」機能に追加するアクションでもある、ということ。知らん。
でもまぁ、そういうルールなので、元々「次はこちら」に控えていた曲はどうするのあなた?と聞いているのだ。そしてその聞き方はなぜか、「消去しますか?」なのである。
おまけに、アラートが出ているので、消されようとしている5曲が確認できない。

この場合、あるべき動作は「黙って再生」であろう。
控えは控え。こちらは後で聴きたいな、と思ってた曲である。とりあえず後回しでいいじゃん。なんだか、役所の人と話をしているような気になってくる。

良い機能なだけに、モッタイナイ。
ちょっと演出過剰なのかなぁ。

では、勝手に代替案として次のようなものを提示させていただきたい。
まずは追加するポップアップメニューから。

英表記だったらplay it later?

言いたいことは要するに、このリストにおいては、「次はこちら」の上なのか下なのかまでは、選択する必要が無いのでは?ということである。
ユーザーからの「後で聴きたい」という意思表示は、すなわちリストの最後尾に追加すること、とシンプルに変換して良いはずだ。
そして直接楽曲を再生しようとした場合の動作は、そのまま割り込み再生とする。別の曲を再生中であれば中断して再生する。複数の楽曲を再生しようとしているのであれば、それを「次はこちら」の最上部に追加すれば良い。

ポップアップメニューにあった「次に再生」は、「再生中の曲を中断させずに“次はこちら”へ追加する」ことができるものだが、とりあえずこれは要らんでしょ。「次はこちら」の中は後で直接並び替えも可能だから。(ちなみにこの、“並び替え可”であることもわかりづらい)


iTunesに限らず、Macを利用していると時々似たような体験をする。天下のアップルでも細部には綻びが見られる。
今後のバージョンアップに期待したいところだ。