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2014年2月22日

紙とWebをうまく絡めれば成功する?



先日、クライアントさんからこんな相談を受けました。

「紙媒体とWebサイトが連動した施策でさ、成功例教えて」

チラシを見たお客が、Webサイトも見てくれる。
そりゃあ作ったものは見てもらってこそ価値があるわけで、ここでは「シナジー」みたいな甘い言葉で表現される、紙もWebも幸せになれる形はないか、という相談なのでしょう。


例えば、「チラシを見た人が、Webサイトも見てくれること」が成功なのだとしたら、思うに、まず、作ったその時点で「成功」じゃないかなぁと思います。両方、相応の目的があって作っていて、各々の役目があるわけだから、存在する限り、見る人も存在する。自然な往来が発生する。そのアクセスの大小は、マーケット動向次第ってとこでしょう。

でも、会社でWebサイトをやる限り、どうしても「もっと成功」が必要になってくるわけで、要は自然な往来とは別に、「プラスアルファの往来発生」が、ここで言う成功ということになります。

そもそも、この「行き来を増やすこと」は成功なのでしょうか?例えば、チラシを撒いたら、Webサイトのアクセス数が、前回撒いたときより2倍になったら成功なのでしょうか?思い通りに人を動かすことは簡単ではないですから、狙い通りにアクセスが増えた、という結果は成功に見えるのですが、それは紙とWebの仕組みによるものではないと思います。たぶん、それよりも上位レイヤーで、行き来するに足る何かがあったのだと。チラシを見て、Webも見る、何か強力な理由が。

ということは、プラスアルファとは、チラシもWebも見たくなる、「特別な理由」にほかなりません。「アクセス2倍」という結果は、そのプラスアルファが功を奏したことを、単に裏付けるだけのもの、ということです。

人は、仕組みによって動かされるのではない。
従って、こういう返答になりました。

「紙とWebの連動だけで大きな成功など、まずありません。
 ユーザーは紙やWebではなく、貴社を見に来ているので。」


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