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2014年2月12日

表参道ヒルズのUI

表参道ヒルズに久々に行ってきました。

ここを歩いていたら、
WebのUIについて考えさせられた、という話です。


さて、一見きれいですが。

撮ったのは1階?いや地下1階だったか?
そう、ここは自分が何階にいるのかわからなくなるという珍しい施設。

表参道の斜面に沿って建つこの建物は、その斜面に逆らわない構造になっています。つまり中に入っても斜面。ぐるぐると螺旋状にスロープが続いているイメージですね。一応階数表示はあるものの、どこからが1階でどこからが2階なのか、曖昧な感じになっています。

たぶん、上から、或いは下から順に巡る分にはいいんでしょう。ぐるぐる歩くうちに全店覗くことができる。でも、「あの店」に行くには難儀します。エスカレーターで指定階に着いても、その瞬間に上と下の道があるわけですから、どちらに行けば良いのか、その時点でわからない。直感的に動けないわけです。むしろ階数表記があることで、混乱の拍車をかけている感じですね。

人間、自分の置かれた状況がわからなくなると不安になります。この場合の不安というのは「冷や汗だらだら」というタイプの不安とは違って、どこかぼんやりとした不安ですね。掴みどころがなくて地に足がつかない感じ。結果、足が遠のくというわけ。


転じて、Webサイトにも同じようなことがいえそうです。
ほら、よくサイトの現在地をユーザーに教える方法論として、パンくずナビ付けるとかナビゲーションのラベル付けとか、いわれるじゃないですか。これには、「利便」という目に見える目的と、もう一つ、ユーザーを不安にさせない、という重要な、隠れた効果があるということですね。

WebのUIについて検討するとき、現実の利便性との相関で考えると重要度が捉えやすいかもしれません。(この辺の話はあまり重要視されないからね)


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