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2013年12月16日

ゼロ・グラビティ観てきた。「職場」としての宇宙。



話題のゼロ・グラビティ。 これ邦題で、原題は「Gravity」なんですね。観終わった後の感想として、やっぱり原題の方が良いように思います。最後まで観ると、主題は無重力なのではなくて、「人間にとっての重力」、ということのように思うからです。

さて、事前情報もあまり入れずに行ったので、予告編から判断するに、「ひょっとして宇宙空間で漂流して、たどり着いた先にモノリス的なものが出てきて・・・」という変な精神世界へ飛んでいってしまう映画かもしれないと構えて鑑賞に臨んだわけですが全くの杞憂に終わりました。むしろ、全くシンプルなパニック映画です。危機的状況からどうやって脱するか、その過程で主人公が悩んで苦しんで、そして成長しながら乗り越えていく。その辺は想定内の展開と言っていいでしょうか。

この映画のユニークさというのは、壮大になりがちな宇宙を舞台にした映画において、無重力のもどかしさ、宇宙という孤独さというのをシンプルに表現しているところにあると思います。そして、そこで命がけで働く人たちがいるという事実と、「実はちっとも楽しくない無重力空間」を克明に描いている。リアルな「職場」として描かれた宇宙がそこにありました。

難しいことは一切ない映画ですが、無重力表現がつづくあまり酔う人も居るかなぁという感じもしますね。その辺が大丈夫なら、ひとつの新しい宇宙映画として楽しめるのではないかと思いました。冒頭で触れましたが、「人間には地面が必要」と、しみじみ思える映画でもあります。

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高井 次郎

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